2008/08/27 (水)

深浦加奈子の死。

昨夜遅く遊人から連絡が入って深浦加奈子が亡くなったことを知った。作品としては「狗神」に出てもらっただけだが素晴らしい女優だった。新作に入るときはいつも「今度は深浦の役をどうしよう」と考えさせる存在感を持っていた。

去年、キャスティングしようと思ったときに体調が悪化しているという噂は聞いた。暮れまで女優として活動していたそうだからぼくの作品にも出てもらえばよかった、と悔やんでいる。

「狗神」のときは井上プロデューサーの強い推薦だった。オーディションということで東映の大泉撮影所まで来てもらった。会話のテンポが一致した。自分が演じて気に入った役のひとつとしてオカマのキャラを上げた。そのキャラでちょっとした即興芝居をこなしてもらった。ぼくの要求はさらにエスカレートして歌も歌ってもらった。思いきりのよさが半端じゃなかった。その場で出演してもらうことを決めた。

打ち上げでも深浦は芸人ぶりを発揮した。天海祐希とデュエットもやったが、これは今でも脳裏にちらつく。アマミッチとフカウラッチでスクル−ボ−ル・コメディをやりたい、と思った。「狗神」の打ち上げでの深浦の溌溂コメディエンヌぶりを、これからも大事にしていきたいと思う。

50代の深浦と60代の深浦と70代の深浦を見たかった。

享年48才。合掌。


2008/08/19 (火)

この夏いろいろわかったこと。


1/仕事をしていない暑い夏は仕事をしている暑い夏よりも暑い。

去年の夏、「クライマーズ・ハイ」を撮りながら暑い夏の仕事をそれほど苦にしてもいない自分に気付いた。暑さで朦朧とすると正しいジャッジメント・コールができなくなるというのが夏の仕事を嫌った一番の理由だが、最近は暑くなくとも朦朧とするときは朦朧とするものだし、どうせ暑いのなら体力と知力を酷使した方が気分がすっきりすると思うようになった。

この夏は暇で暇で、おまけにガソリン代の高騰で北茨城やら信州やら那須やらにゴルフ遠征をかけることもできなくなった。中央区佃の地元でフィットネスだけは通い続け二週間で3キロ落としたのが唯一の成果。来年の夏は確実に仕事を入れよう。

2/冷や汁は島とうがらしと青とうがらしをふんだんに入れると美味だ。

夏になると冷や汁を作る。この夏は辛さをテーマにがんばった。昨日もオリンピック実況の合間に特製の冷や汁を作った。世間一般人が食べたら某有名人のように口がひんまがる味付けだ。そう言えば最近の日本人は口が横にではなく縦についている人が目立つようになった。への字口よりもくの字口の方が多い。


3/いちじくはトウガラシ酢と胡麻和えのたれで食え。

先月末、某出版社の重役に招かれ、銀座の粋な料理屋で食べたいちじくの胡麻和えに感動した。本日、唐突にその味を再現すべく作業開始。いちじくは二日前に近くのマーケットで購入した。昨日、一個食べた。熟れ具合、舌触りは理想でありながらいちじく独特の下層階級の果物の香りが鼻につく。これはやはり胡麻で食べるしかあるまいと二十四時間思案した。

作業の一段目はたまねぎの甘酢トウガラシ漬けを作るところから始めた。幸いにして沼津の仲間からもらったらっきょうの漬け物ボトルがあった。既にトウガラシの赤い輪っかが浮いているこの汁と米酢、水、酒などを適宜調合し、島とうがらし、赤とうがらし、青とうらがしのトウガラシトリオを大量に入れた。無論、たねも残らず。

そこへたまねぎとオクラ、にんじんを適当な大きさに切って、にんじんのみはコンソメで煮染めたあと混ぜ、その汁をスプーンいっぱいだけすくいとって胡麻和えの素約2センチをひねりだしてコネコネした。そこに丸裸にしたいちじくをたらいに行水の小島功風美人の案配で配置し、実をスプーンで抉り取る。辛く酸っぱい胡麻たれにからめて食す。真夏のぜいたく。


4/日本柔道男子に必要なものは、メンタル・トレーニング。

世界の強豪は確実に「柔道」を学んでいる。つまり人格形成をしつつ強さを鍛え上げている。

日本は一本柔道を目指すという名の下にメダル獲得のための練習漬けを若者たちに強いている。

トレーニングのプロセスで殴る蹴るといった選手の人格を否定する行為を行う指導者がまだまだ多いのも日本の特徴だ。しごきはロジカルな裏付けがなければいけない。世界の壁とはそういうことなのだ。

たまたま石井慧は100キロ超級を制することが出来たが、ここでは若い力が育っていなかった。フランスのリネールだけが若い柔道家の代表であり、石井とは違うブロックにいたのが幸いした。さらに19才のリネールは試合運びでミスをした。決勝で石井とぶつかることもなかった。

強豪ひしめく100キロ級とは違い、100キロ超級はリネールか石井以外、下り坂のヴェテランたちの「最後の花道」クラスであった。そういう計算をして斉藤仁監督は教え子の石井を送り込んでいる。ただし、石井がリネールに連敗する下地はすべて整っていることを明記しておく。対策としては、せめてリネールと同等の人格形成をしつつ柔道を楽しむ環境を石井に与えなければならない。

国際大会で戦い方が不甲斐なかったと、監督の斉藤は石井を隅に呼んで頭をぽかりとやったことがある。それをTVのドキュメンタリーが記録していた。こんな人格否定を国際舞台でやっている限り、日本柔道は成長しない。メダル獲得マシーンだけを育ててどうするんだ?

メダルの色は何色であっても嬉しさを噴出させる世界の若者たちを見よ。勝てたのは柔道を愉しんだ内柴であり谷本なのだ。


世界大会のルールはかなり変化して、自然体で構え覇気を噴出させるものが勝つべき柔道本来の姿に近づいている。

効果を1の位、有効を10の位、技ありを100の位で表記するポイント・システムも実にクレバーだ。

今度のオリンピックでは、審判基準の変化といった情報収集にも日本柔道首脳陣の遅れが目立った。それは山口香と篠原信一の解説からも如実に感じられた。

山口は谷亮子の試合で後半、谷選手はゴールデン・スコアを考えた試合運びをしている、と言い、しきりと、試合終盤での反則コールは異例であるとも強調した。その数日後の解説では、あまりに多くの選手が安易にゴールデン・スコアに入るために試合終盤でも反則コールを取るのが今大会の特徴である、と言っていた。こんなことは情報をきちんと収集していれば前もってわかることだ。

篠原の場合は、100キロ級での鈴木とモンゴル選手の試合のとき、相手は強くないですから足下さえ気をつければいい、と断言し、そのわずか数十秒後に鈴木は足をとられて一本負けを喫した。「強くない」と言われたモンゴル選手が金を取ったのは周知の事実。篠原は解説ばかりではなく柔道選手の強化に影響力もあるだろう。それが、実力気力十分なアスリートを「強くない」という言葉で片付ける。このおごりが鈴木にも伝染していたとしか思えない不様な負け様だった。こういった指導者の「おごり」や「偏見」から逃れ、己れを鍛える柔道を学ぶために日本選手、殊に男子はメンタル・ケアを必要としている。

日本柔道を強くするのは練習の量ではない。言い返せない立場にいる選手たちのメンタルの不満不安を解消する手立てと、海外からも指導者を招ぶ柔軟性だ。


2008/08/13 (水)

オー・マイ・ナデシコ!

あったね、そんな映画。「謀殺・下山事件」。俳優座新聞記者軍団の大芝居に辟易した記憶がある。下山事件はウィロビー機関をきっちり描き出して作らないとね。それよりもなによりも、昨日は谷本歩実となでしこジャパン!すごい!

谷本の準決勝進出まで見届けて新宿バルト9へ行ったわけさ。138席は完売。ティーチインは、作品の内容よりは日航機墜落事故の周辺事情などリサーチの段階で浮かび上がって来た様々な疑問中心に話した。「23年目の8月12日」にはそういう話題がふさわしかった。「クライマーズ・ハイ」の芯、ベルト&サスペンダーにも触れたけど、まあ、20分の予定を倍の40分に伸ばして話しまくっても限界はある。全体の7割が女性客で全体的に集中度も高く感じた。とても話しやすかったゆえに話し過ぎたかもしれない。

今、振り返るに"ACE IN THE HOLE"のことを話していて邦題を「最後の英雄」と言ってしまったかもしれない。以前にも「地獄の英雄」と言ったつもりが「最後の英雄」と出してしまった記憶がある。「最後の切り札」というフレーズがインプットされているのと、「地獄の英雄」という邦題に対する反発からそうなってしまうのだろう。

気分良く帰って谷本の準決勝と決勝をVTRで見て感動した。準決勝まで寝技の一本勝ちで決めて決勝は技の掛け合いからの見事な内また!そして、太陽のように光り輝くコメント。谷本にはオリンピックの女神に愛される「自然体の闘志」がある。理想の柔道家の姿もある。一言一言に無理がない。心がある。ウチの息子のヨメにしたい、と思ったオヤジは何十万人もいるんじゃないだろうか。重圧に口をひんまげて試合に挑み口をひんまげたコメントを残した中村美里は早く谷本の太陽を浴びて軌道修正した方がいい。鬱屈はオリンピックの女神に嫌われる。4年先の話とはいえーーー。

そして、なでしこジャパン。

昨夜は何度驚愕の声をあげたことか。速攻2発でアメリカを倒した強豪ノルウェーに5点もあげて勝つことなどだれが夢想しただろう。

宮間の美しいクロスに豪快なボレーで応じた近賀に先ず飛び上がった。近賀っていうのは本当に素晴らしい。ニュージーランド戦最初の失点は彼女のミスから生まれたものだった。クリアすべきボールをスルーして彼女の後方に廻っていたニュージーランド選手にゴールを割らせた。なんだ、こいつ!と激昂したものの、後半戦の近賀のリデンプション・ソングは見事だった。縦横無尽に走り、獅子奮迅とでも言うような活躍をした。そして、ノルウェー戦での同点弾。

近賀の勢いがチームを引っ張った。

ウチのヨメに、と思ったオヤジはやっぱり何十万人単位でいるだろう。

反町ジャパンは全員、なでしこジャパンの鞄持ちだな。


2008/08/11 (月)

内柴に救われた一日。

記憶のメカニズムに衰えが顕著だ。いやになるくらい固有名詞を間違える。新たに名刺交換した人々の名前が記憶に残る率も日本バレーボール男女のブロック率を合わせたくらい低い。

鈴木桂治を田中桂司。T.J.シマーズをシモンズ。ブァカか!と頭を壁にぶつけてみる。

でもまあ、上田ジャパンの敗戦は仕方ない。試運転としてはいいところも見えた。上田監督には柳本や反町の軽率さはない。徳川御三家のお殿さまといったルックスも、ぼくは嫌いではない。反町は大手銀行の頭取秘書って感じ。個性ある若手の支配はハナから諦めている。ナイジェリア戦は途中で飽きた。日本人はサッカーにむいていない、とつくづく思う。だから、せめて監督ぐらいは外国人にしよう。

10日の五輪は、柔道の女子52キロ級と男子66キロ級に集中し、内柴正人のいなせな大名飛脚のような体のこなしを楽しんだ。アテネ五輪での彼の柔道は最高だった。今回は技の鋭さは消えても、メンタル面での強さがダントツだった。日本人はメンタル・トレーニングがだめだから内柴が余計目立つ。

ただし、NHKのアナウンサーは5分に一回、内柴の息子との約束を騒ぎ立て興醒めだった。篠原の解説もボキャブラリが少なくて、女子の解説山口香のクラスはない。おまけに、内柴は二番、一番強いのはわたし、という無意味なマチョ顕示があってうんざり。篠原は井上だったか鈴木だったかの解説をしたときも、圧倒的な強さを見せた選手へのコメントを求められ、一番強いのはわたし、とやっている。本人は冗談半分で言っているのだろうが、現役引退の柔道家が現役選手の活躍に対して送る言葉ではない。あまりに幼稚だ。だから解説内容も幼稚になる。

我が中村美里はあまりに場違いだった。コメントも表情も技もすべてに幼さだけが目立った。北朝鮮の選手に軽くあしらわれたあと、三位決定戦で韓国選手相手に勝てた勝負師ぶりはおおいに買える。しかし、そのあとのコメントにがっくり。金メダル取れなくて口惜しいって、おい、分不相応だよ。日本選手はメディアに煽られて「金メダル」を口にしすぎている。ベストを尽せばいい。金メダルを狙う、というのは北島康介クラスのスーパーアスリートに委せておけばいい。日付けの変わった話題になるが、世界新で金という北島のピーク・パフォーマンスはすごいね。


2008/08/10 (日)

五輪の書。

9日の北京五輪日本勢はひどかった。応援した日本人は全敗。谷亮子しかり平岡60キロしかりなでしこジャパンしかり柳本ジャパンしかり。その前の日は反町ジャパンの内田と谷口以外の全プレイヤーおよび反町に腹を立てていた。

ここで重要なことは愛国的応援に自己を見失ってレイシストになってはいけないということ。

本日の日本勢全敗はそれぞれのチームもしくは個人の日本人の不甲斐なさだけを問題にすればいい。

オリンピックならではの感動の瞬間は柔道女子48キロの決勝と男子60キロの決勝にあった。指導ポイントだけで谷を破ったルーマニアのアリナ・ドゥミトルがキューバの選手に一本勝ちした勝負だ。まさに谷がかけるべき電光石火の組際の大外だった。谷の時代は終わったのだ、と愚鈍なおれも納得せざるを得なかった。というわけで、本日は「おれ」モードで書きたい放題書く。


きょうの谷亮子の試合はすべてリアルタイムで見た。すべてに於いて精彩に欠けていた。技に切れもなかった。そして準決勝でのドゥミトル戦。序盤から奥襟を掴んで来るドゥミトルの「戦略」を嫌い、両者はなかなか試合を進行させなかった。二度、両者に指導が行った。三度目の指導は谷だけが食らい、呆然とした谷は残りの30秒で攻撃を仕掛けたがドゥミトルは逃げ切った。

これは象徴的な試合だったと思う。解説の山口香女史(実に的確だった)によるとドゥミトルは今まで何度も谷に負けていたので大胆に奥襟を掴む戦略に切り換えたのだと言う。奥襟を掴まれると胸が合う体制になる。胸が合うとドゥミトルは上背を生かしヨーロッパ選手権四連覇の実力を発揮する。それを谷が嫌う。

問題はここだ。

二度の指導で局面が動かなければ、その責任は実績あるものに帰結する。おまえが勝負に出なくてどうする、と叱咤されるべきはチャンピオンだ。挑戦者ではない。だから審判は三人とも三度目の指導を谷にだけ与えた。現実には、そういったポイント差を背負うことで谷は動いた。何故それを最初の指導の後にできなかったのか。それを、おれは「衰え」と呼ぶ。

審判団への印象も含め、谷には勝負師のずる賢さがなかったとしか言い様がない。これだけ長いキャリアを持つ48キロの女王は、肉体ばかりでなく試合の流れを読むことにも衰えを見せた。完璧な敗北であったと思う。


もともとこのクラスで谷が代表になること自体、いわゆるSENTIMENTAL FAVORITEの選考だった。代表選考を兼ねた国内大会の決勝で谷は破れたではないか。それと同様の試合をドゥミトル相手にもやってしまった。

女子柔道の選考委員たちは「決勝で破れても谷が実力ナンバーワン」として48キロ級の代表に彼女を選んだ。それは彼女にとっても「重い決定」だったのではないだろうか。

天才谷亮子は自分の衰えをよく知っていた。だから、衰えをいたわる戦いに徹し、その戦法を審判団に否定された。

谷だけに指導を与えた審判団を責める理由はなにもない。責めるべきものがいるとしたら、それは、力の衰えが如実だった彼女を代表に選んだ人々だ。

これだけ長い年月、トップに君臨した谷亮子には感謝の気持ちしかない。だから、谷を破ったドゥミトルが、全盛期の谷が乗り移ったような鮮やかな技で48キロ級を制したことに心から感動したのだ。

谷亮子は存分に戦った。もう引退させてあげよう。チェンジング・オヴ・ザ・ガード。

それと対極を為す選考は60キロ男子の代表に選ばれた平岡だ。男子柔道の選考委員たちは四連覇を狙う「センチメンタル・フェイヴァリット」の野村を選ばず、代表選考会を制した23才の平岡を北京に送った。5月に膝のじん帯を切った平岡は本当に正しい選択だったのだろうか。

フランス国際でも優勝し、国際大会でも実績があるということだったが、その戦いぶりは稚拙だった。彼もまた、相手のタラジェ・ウィリアムス・マレーともども指導を受けても不思議がない時点でひとりだけ指導を受け、そのポイント差で負けた。アメリカ代表のタラジェが体勢を低くしてレスリングまがいの攻撃を仕掛けて来ることで技が出なくなったというのだが、次ぎの試合でヴェネズエラの選手が低い体勢のタラジェに背負いをかけ、一本勝ちしている。そのヴェネズエラの選手は準決勝にも達していない。平岡の実力がどれだけのものか、疑問に思う。


平岡は前夜の開会式で選手団主将の田中桂司の脇ではしゃいでいた。ここが問題だ。

60キロ級の試合が開会式の翌朝行われることは関係者のだれもが納得していたことだ。そのクラスに23才の初出場の選手を選んだ結果がこの惨敗。開会式が初心な若者を狂わせる。

平岡は、畳みに上がった時点から目線に落ち着きがなかった。解説の篠原信一は落ち着いていると言っていたが、表情を判断する商売のおれに言わせればこれはBULLSHITだった。平岡は負けるべくして負けた。

このクラスの決勝は韓国のチェ・ミンホ対オーストリアのルドウィッヒ・ペイシャーだった。チェはアテネ五輪の銅メダリスト。ペイシャーは去年だか今年だかのドイツ国際の金メダリスト。決勝戦まですべてを一本勝ちで取って来たチェには神憑かりの技の切れがあった。ペイシャーも平岡とは桁違いの試合巧者で、これは心技体に傑出した選手ふたりによる見事な決勝だった。それをチェが、驚異的なすくい投げで制した。

アテネの雪辱を果たしたチェはそのまま泣き崩れた。すると、ペイシャーが肩を抱いて立たせ、よくやったとでも言うように抱擁した。無論、そこには早く試合終了の挨拶をして終わりにしようぜ、という意識があったのは否定しない。しかし、ペイシャーのジェスチャーは高貴でありオリンピックの歴史に残るものである。おれは素直に泣いたね。チェにも心から拍手を送った。


そのあとで見たのが女子バレーボールの日本対アメリカ戦。選手たちの実力は互角でありながら監督の技量の差で負けた。

第三セットの終盤7連続失点でセットを落としたのも、第四セットの終盤5点だか6点だか連続して失いゲームを落としたのも流れを変えることのできなかった監督の采配ミスだ。アメリカ側の監督はメンバー交代して第三セットの逆転につなげた。柳本は第四セット終盤で大村を投入しようとしながらも踏ん切りがつかず選手たちは弱気のパターン化された攻撃を続けて自滅した。

おれはもう決して柳本ジャパンのゲームを見ることはないだろう。今夜は、本気で怒った。

反町ジャパンも同じ問題を抱えている。オーヴァーエージを使わない方がチームがまとまる、などと言った反町は愚かだ。アメリカ戦で1点ビハインドでも前へ出なかった選手たち。オーヴァーエージの選手がひとりいればピッチで怒鳴ることもできた。戦い方も変わった。内田と谷口以外、全員がひどかった。その最大の戦犯は反町だ。それでも、もう一度だけ、おれは我慢する。ナイジェリア戦をどう戦うのか、見てハラを決める。

実を言うと柳本ジャパンも反町ジャパンも最初からメダルなどは期待していない。ひょっとすると、と思っているなんとかジャパンは上田ジャパンだ。男子のバレーボールはすごい。

星野ジャパンはメダルには手が届くだろうが、野球だったらドジャースを見る。

マニー・ラミレスが入ってドジャースは劇的に変わった。ボストン時代はワルガキ以外のなにものにも見えなかったマニーは、新天地ドジャースで心技体一致のスーパースターに成り上がったようだ。マニーはね、ドジャースへ来てから毎日チームメイトひとりひとりに声をかけて「和」の王子様になっている。

ボストンのメディアは信じないようだが、LAでは、みんながマニーを愛し、マニーもみんなを愛している。毒舌で鳴るLAタイムスのコラムニスト、T.J.シモンズだってマニーにメロメロだ。これはすごい。

7時間後にはクロダが投げ、マニーが打つ。心が踊る。そして、柔道の女子52キロ級。新世代柔道少女中村の活躍を期待し、これまた心が踊る。上田ジャパンの初陣にも心は踊る。


みんな、オリンピックに夢中になるのはいいけどさ、下品な愛国者になるなよ。


田中桂司ってだれや。鈴木やで。


 a-Nikki 1.02