2015/11/24 (火)

ドジャースの新たな希望。


43歳のデイヴ・ロバーツがドジャースの新監督に選ばれた。ドジャー史上初のマイノリティ・マネージャーの誕生を素直に祝いたい。ロバーツは父親がアフリカン・アメリカンで母親が日本人。沖縄で出会った両親から生まれた。2002年から2004年まで俊足のリードオフ・バッターとしてドジャースの外野を守った姿は記憶にある。ロバーツの使命は、最低でも27年ぶりのワールド・シリーズ進出。しかしながら現状の先発ローテーションではポスト・シーズン進出すら危ない。

ザック・グレンキーと再契約できなければ、デーヴィッド・プライス、ジョニー・クエトと契約するしかない。ところが、既にスポーツ史上最も高価なチームになっており、いかにこの数字をカットするかも課題。さらには、エースのカーショーが球団トップに直訴したことで話題のヤシエル・プイーグの放出問題。ハウィー・ケンドリックの後がま二塁手をどこから引っ張って来るか。

ルーキー・マネージャーを支援する戦力をフロントが整えられるのかね。


2015/11/23 (月)

SWEET NOVEMBERは何処?


世界的にも個人的にも心が激しくゆさぶられる出来事が怒濤のように押し寄せている11月。いい意味でのゆさぶりは、16年ぶりにマウイ島のカパルア・プランテーション・コースでラウンドしたことだろう。

16年前、「金融腐食列島・呪縛」を持って初めてHIFF(ハワイ国際映画祭)に参加したとき、カミサンと相談して、ほんの少し贅沢をすることにした。マウイ島での二泊三日の休暇だ。このサイトを立ち上げた初期のダイアリーで、そのときのことは書いていると思う。ホテルは超一流に泊まるだけの経済力がなかったが、次のランクのハイアットならなんとかなった。その代わり食事とゴルフは「島で一番」を選んだ。それがデーヴィッド・ポールのラハイナ・グリルとカパルア・プランテーションだ。

わたしのゴルフは、このプランテーション・コースで開眼したと言える。つまり、ゴルフとはSENSE OF A PLACEであると悟った。スコアは二の次。壮大な景観と一体感を味わうラウンドこそゴルファーの生きる歓びだ。

故に、以来、腕は上達しないが人間が知恵を使って自然を取り込んだコースの景観を愉しみ、映画作りの感性を養っている。


16年ぶりのプランテーション・コースはより壮大さを感じさせる巧みが随所にあった。5分ほどの通り雨に出会ったが、天候は総じて理想的で、モロカイの島と太平洋の眺めは人間のすべての愚行を忘れさせる崇高な美に満ちていた。
自然を自然のままにしておくことも必要だが、このように自然と人間の共存を確保する場を築くことも必要だ。

不思議なことに、ラウンドした仲間は、16年前と同じ男女構成および年齢構成となった。つまり、若い白人カップル(奥さんは見学のみ)とシニアの白人。連帯を高める気持ちのよいラウンドだった。

アウトは1番とふたつのロングホールで手こずったが49で廻り、インではようやくレンタルクラブにも慣れて、ティーショットも他のふたりを越える飛距離が出るようになった。10番でパー、14番でバーディを取ったあと急に体のメカニズムが狂った。15、16番で球は上がらずシャンクは出る、で17番からは見学に徹した。



今回の旅では、カミサンと協議の上同じカパルアのリッツ・カールトンに二泊した。十年に一度の贅沢だ。ゴルフが終ればホテルのシャトルで迎えに来てくれる。24時間オープンのフィットネス・センターはあるし、海を見下ろすプールも素晴らしい。この朝も、広々豪華なジムで30分汗を流したあと、ホテルの裏のスロープを降りて海岸に出た。

人はまばら。泳ごうと思ったが強烈な力で海に引き込まれそうになり、波打ち際で時に腰までしぶきを浴びながら波と戯れるだけにした。海と地球のバイブレーションに魅せられる。波の音、潮風、南国の香り、陽光のすべてをじっくりと味わう。痛切に、この場所へ戻りたい、と思う。来年でなければその次の年に。そう考えるだけで、湧いて来る力があった。しかし、その力も、午後の1ラウンドを乗り切ることはできなかったわけだ。

ラウンドの後のディナーはLAHAINA GRILLで、16年ぶりに食べた。昔ついていた「デーヴィッド・ポール」の冠はないが、今も、マウイで一番人気のレストランだ。サーヴィスも最高。殊に我々のテーブルについたマイケルはギャルソン道の見事な具現者だった。妻の誕生日が四日前だったと聞くと、素早くバースディ用プレートを用意してくれた。「誕生日には四日間のグレイシャス・ピリオドがあります」と言って。



HIFFでは「日本のいちばん長い日」と「駆込み女と駆出し男」の一回目の上映に立ち合った。(二回目はわたしがオアフを去ったあとだった)。どちらも450席の大劇場。終映後のQ&Aがより活発だったのは「長い日」。大多数が残り、白人観客を中心に突っ込んだ質問も出た。ハーバート・ビックス本などによってねじまげられた昭和天皇像をわたしが知りえた限りの知識で修正したこともあって、昭和天皇に関しての新たな光明を感じたという感想が圧倒的に多かった。

英語版のウィキペディアのHIROHITO項目に於ける「ねじまげられた昭和天皇像」が、アメリカでは一般的になってしまっている。イデオロギーに毒されていない真摯な昭和天皇像を、機会あるごとに語っていかなければいけないと思う。観客のひとりであったTVパーソナリティーから自分の番組に出て、昭和天皇について語ってくれ、という申し入れもあったが時間がなく諦めた。全米公開を望む声は多くある。実現してほしいと切に思う。

ハワイに発つ前日には自作「盗写250/1秒」のリメイク「SCOOP!」の撮影現場を訪問し、福山雅治さんと話す事ができた。わたしが「盗写」を書いたとき理想として夢見た主人公がまさに今回の福山さんだ。ガタイがでかくてぶっきらぼう無神経なのに、そこはかとなくセックスアッピールがある、皮が一枚はがれていくたびに繊細さが匂う・・。そういうスターは当時いなかったから細胞分裂させて原田芳雄兄貴と宇崎竜童さんに「合わせてひとり」をやってもらったようなところがある。大根脚本はそこを本来あるべき姿に戻して、静と野火のドラマに突き進んでいる。二階堂ふみ様の野火も吉田羊様のサダコもぴったり。今、わたしが自分でリメイクするとしても選ぶ配役だ。

「クライマーズ・ハイ」以来、なぜか原田組には無縁の滝藤賢一(敬称略)とも話す事ができた。オファーはしてるんだけどね、滝藤は忙しくてね、出演できないんだよね、わたしの映画には。「長い日」の場合はスケジュールの関係で坊主にできないって事務所から言われたんだよな。ま、いいか。中村育二様が編集長というのも原田組オマージュといったらいいのか、愉しい。

それにしても福山さんの存在感は素晴らしい。よくぞ実現してくれた。大根仁監督と川北桃子プロデューサーの連係プレイの成果だと思うが、なんとも羨ましい限り。負けずに、わたしも2017年以降の福山企画に精進しよう。


2015/11/01 (日)

メキシコ革命への道。


JAPAN NOWの原田眞人監督週間は、結局五作品とも完売。トークショーに参加してくれたスペシャルゲストのみなさまのおかげです。

昨夜の映画祭クロージング・パーティでは椎名保GPの紹介で審査委員長のブライアン・シンガーと立ち話もできたし、デンマークの名監督スサンネ・ビアとも親しく話せた。日本の映画人では、水原希子さんや斎藤工さんと歓談。

TIFFの9日間は充実した出会いのてんこもりでしたね。

28日は京都で、ヒストリカ映画祭関連のイヴェントで講演してクリエイターズ・ラボ参加の若い映画人たちと交流できたことも刺激的だった。

それ以上に刺激的だったのが29日のメキシコ大使館の夕食会。「日本のいちばん長い日」の各国大使向け特別試写を見て感動してくださったカルロス・アルマーダ大使ご夫妻のお招きだった。

料理は、大使の言葉を借りるなら「メキシコ懐石」。海老のグリーンソース仕立てから始まって、蟹の前菜、チロリオのタコス、えのき茸のスープ、メキシコ風海老のアヒージョ、牛肉のグリルとパシージャソース、ココナッツプリンと抹茶アイスの盛り合わせと続く超絶美味の新感覚メキシコ料理。

さらに、大使の話がまた超美味。わたしが今まで見たり聞いたりしてきたメキシコ革命にまつわるエピソードのなかでも、群を抜いて映画的な歴史のドラマを話していただいた。映画にしたい!


2015/10/23 (金)

TIFF開幕。


レッドカーペット、気持ちよかった。役所さま、神野さま、赤間さま、宮本さま、カミサン、遊人と7人で歩いた。わたしが参加したTIFFでは一番派手だったのではないか。これはひとえに、ジェネラル・プロデューサーの椎名さんと、JAPAN NOWプログラミング・アドバイザーの安藤紘平教授のおかげ。ありがとうございます。

桃子、サクラの安藤家の姉妹とも愉しい会話あり。サクラの足指扇子開きに魅せられた。

明日はKAMIKAZEの日。観客の半分は関係者ってことになるかも。出演者が大挙来襲の予感あり。

本日、LAタイムスにて、ドン・マッティングリー解雇、というかPARTED WAYSの報を聞く。何はともあれ、よかった。ドジャース再生への第一歩。後任監督候補は五人。わたしはティム・ウォラックに一票投じたい。しかし、愛すれど心さびしき日々であることは紛れもない。わたしはなぜか「愛すれど心さびしく」の原題、THE HEART IS A LONELY HUNTERの♥部分をFATEとして記憶している。運命の力、の影響か。ため息ため息ため息。


2015/10/23 (金)

TIFF開幕。


レッドカーペット、気持ちよかった。役所さま、神野さま、赤間さま、宮本さま、カミサン、遊人と7人で歩いた。わたしが参加したTIFFでは一番派手だったのではないか。これはひとえに、ジェネラル・プロデューサーの椎名さんと、JAPAN NOWプログラミング・アドバイザーの安藤紘平教授のおかげ。ありがとうございます。

桃子、サクラの安藤家の姉妹とも愉しい会話あり。サクラの足指扇子開きに魅せられた。

明日はKAMIKAZEの日。観客の半分は関係者ってことになるかも。出演者が大挙来襲の予感あり。

本日、LAタイムスにて、ドン・マッティングリー解雇、というかPARTED WAYSの報を聞く。何はともあれ、よかった。ドジャース再生への第一歩。後任監督候補は五人。わたしはティム・ウォラックに一票投じたい。しかし、愛すれど心さびしき日々であることは紛れもない。わたしはなぜか「愛すれど心さびしく」の原題、THE HEART IS A LONELY HUNTERの♥部分をFATEとして記憶している。運命の力、の影響か。ため息ため息ため息。


 a-Nikki 1.02